土曜日診療武蔵新城の歯医者|歯周病治療・歯周外科・審美治療
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2019

10/30

【災害時の歯科】台風19号被害に考える、避難所でのお口のケア

記事概要

先日の、川崎市にも甚大な被害をもたらした台風19号。みなさまのエリアは大丈夫でしたでしょうか。避難された方もおられたのではないでしょうか。慣れない避難所生活は、交感神経が緊張状態にあり、ストレスなどを大きく感じやすくなります。これらのことから、身体の抵抗力が弱まってしまい、むし歯や歯周病、口内炎、誤嚥性肺炎などを起こしやすくなります。災害時のお口のケアに関するポイントをまとめましたので、ぜひご参考になさってください。

台風19号

川崎市にも甚大な被害をもたらした台風19号

2019年10月12日に上陸した台風19号。
みなさまのエリアでは、大きな被害などございませんでしたでしょうか?年々、巨大化する台風の勢力には、毎回驚かされ、そのたび毎に自然の驚異を実感するばかりです。

2011年に起きた東日本大震災では、当院のある神奈川県川崎市も大きな揺れに見舞われました。あの震災を想起させるような大きな台風に、改めて、防災意識の見直しを迫られているような気がしています。

今月12日に上陸した台風19号では、神奈川県川崎市も大きな被害を被りました。(詳しくはこちら

上記の記事からも分かるように、川崎市高津区は支流の平瀬川が多摩川に流れ込むことができなくなり、その逆流で浸水する被害に見舞われました。

当院と同じ区内である中原区の武蔵小杉では、多摩川の水が地中の配管をつたって逆流したことにより浸水被害が発生しました。

これらは、いずれも多摩川の水位上昇により起こった浸水被害だという事がわかっています。これからは、大雨毎にハザードマップを確認して、早めの避難や浸水被害を想定した台風の準備が必要なのかもしれません。

当院のある武蔵新城駅も、多摩川から約1kmのところにあります。ハザードマップからはかろうじて外れていますが、今回の浸水被害は他人事ではありません。

以前、当ブログでも『【自然災害と口腔ケア】震災関連死を防ぐ、防災のための口腔ケア』と題して、災害時のお口のケアについて書きました。

台風19号を経験した直後ではありますが、再度、災害時のお口のケアに関するポイントをまとめていきたいと思います。

災害時のお口のケア

命を守る、具体的なお口のケア

以前のブログ(【自然災害と口腔ケア】震災関連死を防ぐ、防災のための口腔ケア)では、震災時には誤嚥性肺炎で亡くなる方が多いこと、防災グッズ(避難グッズ)の中に、歯ブラシやコップ、マウスウォッシュを入れておくことについてまとめました。

今回は、具体的に、災害時の避難所などにて行って欲しいお口のケアについてまとめます。

まずは、お口の中を清潔にしなければならない理由は、前回のブログでも書いた通りです。特に、抵抗力の弱い高齢者は、お口のケアは必須だとお考え下さい。ご自宅が被災されて、しばらくの間、避難所などで過ごさなければならない方は、下記に注意して過ごしてください。

(1)肺炎防止に歯磨きをしてください!

お口の清潔が保たれないと細菌が繁殖してしまいます。細菌の繁殖した汚れた唾液を、誤って気管支に取り込むことで誤嚥性肺炎を起こします。避難所にいるときこそ、こまめに歯磨きをしましょう。

(2)入れ歯をキレイに保ちましょう!

入れ歯をお使いの方は、入れ歯のケアを怠らないよう注意してください。食後は、入れ歯をキレイに洗って就寝前に保存液につけて保存してください。

(3)歯ブラシがない場合はガーゼなどで歯を掃除してください!

ガーゼで歯を掃除万が一の避難の事を考え、防災グッズに歯ブラシセットが入っているのがベストですが、避難所で歯ブラシがなかった場合には、ハンカチやティッシュで歯の汚れをとるだけでも効果があります。必ず、食後にお水やお茶などでうがいをしてください。

(4)唾液を出そう!

唾液腺をマッサージお口の中は、唾液によって清浄化されます。唾液の働きは非常に重要です。できるだけ唾液腺をマッサージして唾液をたくさん出すようにしましょう。耳の下、頬、顎の下などを、手で優しくマッサージしましょう。唾液が良く出るようになります。緊張した環境にいると、唾液量が少なくなります。できるだけマッサージなどで唾液の量を増やしましょう。

(5)水が少ない場合の歯磨き

水が少ない場合の歯磨き断水などで水が少なく、思い切りうがいをできない場合があります。そんな時は、水で歯ブラシを濡らして歯磨きをしてください。歯磨きの合間に、歯ブラシの汚れをティッシュなどで拭き取りましょう。最後に、コップの水を少しずつお口に含み、2〜3回に分けてすすいで下さい。
マウスウォッシュなどがあれば、水の代わりに使えますので便利です。

避難所でもお口の清潔を保つことが大事です

以上は、災害時でもできる簡単なお口のケアです。特に、慣れない避難所生活は、交感神経が緊張状態にあり、ストレスなどを大きく感じやすくなります。これらのことから、身体の抵抗力が弱まってしまい、むし歯や歯周病、口内炎、誤嚥性肺炎などを起こしやすくなります。

できる範囲で、お口の健康を保つことが、全身の健康維持につながりますので、ぜひご参考ください。その他、避難所などで過ごす時に、少し気をつけていただきたい点がありますので、下記にまとめておきます。

●就寝前には、歯磨きを

できるだけ、就寝前には歯磨きをするようにしましょう。歯磨きができない場合は、ブクブクうがいだけでも良いです。うがい薬などで行うと、より効果があります。ブクブクうがいを15秒間、3回繰り返すと有効だといわれます。

●入れ歯の手入れ

入れ歯は食後キレイにしてください。義歯洗浄剤があればより効果的なので、防災グッズに入れておきましょう。

●よく噛んで食べましょう

避難所での暮らしでは、なかなかお食事もゆったりとできないかもしれません。しかし、そんな時こそ、ゆっくりよく噛んで食事をするよう心がけて下さい。唾液がたくさんでますので、お口の健康に役立ちます。

●甘いものの食べすぎに注意!

ストレスを感じると、ついつい、甘いものを食べすぎてしまいがちになります。あまり甘いものを食べすぎないよう注意してください。

(参考:https://www.jda.or.jp/news/pdf/poster_jda.pdf