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インプラント

2019

2/25

インプラントの平均寿命を更に延ばすメインテナンス方法3選

記事概要

インプラントは耐久性が高く埋入後10年~15年ほどは持続的に使用可能とされていますが、適切なメインテナンスを行うことで寿命をさらに延長することができます。インプラント周囲炎は進行すると骨吸収によってインプラントの脱落を起こすリスクがあるため、日頃からプラークコントロールを行って口腔内環境を清潔に保ちましょう。

模型を持つ女性

厚生労働省の発表によると、天然歯の部分的欠損および全部欠損症例でインプラントを埋入した際の10〜15年における累積生存率は上顎約90%、下顎94%とされています。(参考 ※1)

そのため、ほとんどのケースで埋入後10年はインプラントを問題なく使えますが、適切なメインテナンスによって寿命をさらに伸ばすことが可能となります。
インプラント治療および定期検診を行っている武蔵新城の歯科医院『太田歯科クリニック』がインプラントの寿命を延ばすメインテナンス方法について紹介いたします。

※1 厚生労働省:歯科インプラント治療のためのQ&A[pdf](https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf

1. 口腔内環境を清潔に保つセルフケアでインプラント周囲炎を予防

インプラント周囲炎はインプラント周囲の歯周組織がプラーク(歯垢)に含まれる歯周病菌に感染し、歯ぐきや骨が炎症を起こす疾患です。インプラント周囲炎とは、プラークコントロールがしっかりと行えていないことによるインプラントの歯周病であり、初期症状としては歯ぐきの腫れや出血、排膿や痛みなどがあります。

インプラント周囲炎は症状が進行するとインプラント周囲の歯周ポケットが深くなり、骨吸収によってインプラントが脱落してしまうリスクが高くなります。そのため日頃から口腔内環境を清潔に保つセルフケアを行い、インプラント周囲炎を予防しなくてはいけません。

インプラント周囲炎の原因はプラークに含まれる歯周病菌で、予防する際はセルフケアによるプラークコントロールがとても重要です。
歯ブラシや歯間ブラシなどを使い、プラークが溜まりやすいインプラントの歯と歯肉の境目や、隣接する天然歯との間といった箇所を日頃から丁寧に磨きましょう。

インプラント周囲だけでなく、天然歯もデンタルフロスなどを使用して、常に清潔に保つ必要があります。
歯磨き後はマウスウォッシュでお口をすすぐことで、歯周病菌の除去および繁殖を防げます。

また歯周病を患ったことがある場合は歯周病菌が口腔内に残っているため、セルフケアを怠るとインプラント周囲炎を患うリスクが高いので注意をしましょう。

喫煙習慣のある方は、口腔内が乾燥しやすく唾液の減少によりむし歯や歯周病のリスクが高まるため、より注意が

必要となります。

また煙草に含まれるニコチンは血管を収縮させて血中の酸素運搬能力低下を招き、インプラント体埋入手術後の創傷治癒を妨げてインプラント体と骨の結合(オステオインテグレーション)を阻害することになりますので注意が必要です。
喫煙習慣がある場合は、プラークコントロールに加えて減煙・禁煙も視野に入れましょう。(参考 ※2)

※2 厚生労働省:歯科インプラント治療指針[pdf](https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-01.pdf

2. 睡眠時ブラキシズムの習癖がある人はマウスピースを装着して寝る

模型

睡眠時におけるブラキシズム(歯ぎしり)の習癖がある場合、過大な力がインプラントに加わることにより、インプラントの寿命を縮めてしまうのでマウスピースを装着して睡眠をとる対策が必要となります。
睡眠時ブラキシズムはストレスや遺伝、かみ合わせや飲酒、喫煙などが主な原因とされており、習癖があると継続的に天然歯およびインプラントに大きな負担がかかります。

インプラントは食事や会話など日常生活では破損や緩みが生じない強度で設計されていますが、睡眠中における無意識なブラキシズムは食事をする際における数倍もの大きな力が加わることも少なくありません。
睡眠時ブラキシズムの習癖があると、過度な力が加わった際に天然歯の摩耗・歯周組織の破壊やインプラントの破損などを招くリスクがあるとされています。(参考 ※3)

ブラキシズムには、グラインディング(上下の歯を横にスライドさせて音がでる)、クレンチング(食いしばる)、タッピング(上下の歯をカチカチさせる)などがありますが、どれもインプラントの大敵であるため、予防策が必要となります。

睡眠時ブラキシズムは明確な発症メカニズムが不明であり、小児から成人まで多く見られる症状である一方、高齢者で発症する人は少なく、加齢によって発症する割合が減少すると考えられています。
しかし、睡眠時ブラキシズムを根本的に改善する治療法は確立されていないため、対処療法として樹脂製のマウスピースを装着しての睡眠やケースによっては薬物療法による症状の緩和などが必要となります。

※3 九州大学:睡眠時ブラキシズムに対するオクルーザルスプリントの効果的治療プロトコールの検討[pdf](https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/21988/dent551.pdf

3. 定期的な検診を受けてインプラントの状態をチェックしてもらう

セルフケアによるメインテナンスは、インプラントの細かな状態変化や異常などに気付かず見落としてしまいがちなので、歯科医院で定期的な検診を受けてインプラントの状態をチェックしてもらいましょう。
定期的な検診はインプラントの寿命を延ばすために不可欠であり、実際にインプラント治療を行っている武蔵新城の歯科医院『太田歯科クリニック』でも検診を受けられます。

ご自宅でのセルフケアに加え、インプラント治療の実績が豊富な歯科医院で定期的な検診を受け、レントゲン撮影、インプラント周囲粘膜の炎症の有無、噛み合わせのチェックなどを行い歯のクリーニングを受けましょう。

また最も重要であるプラークコントロールができていないようであれば磨き方の練習や、生活習慣病の一つである歯周病の予防、食生活の改善などのアドバイスもおこないます。

インプラントの大敵である歯周病やインプラント周囲炎も、定期的な検診を受けることで症状が軽微な段階で発見でき、歯科医による適切な処置によって進行を阻止することが可能です。

インプラント周囲炎は、初期の段階であれば、消毒薬による洗浄、機械的清掃、抗生物質の投与など比較的簡単な処置にて対応することができますが、進行してしまうと外科処置などが必要になります。
インプラントは治療によって再度新しいものを埋入できますが、周囲炎による骨吸収が進行してしまった場合は新しいインプラントを埋入できないケースがあります。
そのため、インプラントの寿命を延ばすためには、ご家庭でのセルフケアと併せて歯科医院による定期的な検診を受けなくてはいけません。

定期検診の期間は口腔内の状態にもよりますが、最低でも一年に2~3回のペースが望ましいです。

4.インプラントは適切なメインテナンスで寿命を伸ばせる

インプラントは耐久性に優れた治療法となりますが、適切なメインテナンスを行うことでさらに寿命を延ばせます。生体親和性の高いインプラントですが、人工物であることに変わりはありません。長期間の使用で不具合が生じた際にも、定期的なメインテナンスを行っていれば、早めの対応が可能となります。

日本歯周病学会によるインプラント治療後3年以上経過した患者さんへの調査では、約1割がインプラント周囲炎を発症しているとのショッキングな報告があります。ただしメインテナンスをしっかりと行っていくことにより、インプラント周囲炎は充分に予防可能であるといえます。
インプラント治療が多くの方に認知されるようになり、日本国民の約10パーセント(厚生労働省調査)がインプラント治療を受けられているそうです。見た目はもちろんのこと、『しっかり噛める』は当然のこととなりつつあります。長期にわたりインプラントを維持させるためにもしっかりとメインテナンスを行い、お口の状態を安定させることがとても重要となります。

高額な治療費がかかり苦労していれたインプラントが長持ちするよう、歯科医師と衛生士が一丸となってメインテナンスに取り組んでおります。