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2020

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【舌のケア】口臭や肺炎の原因にもなる恐れも

記事概要

お口の中でも、非常に重要な役割をするのが舌です。舌とは全身の健康状態のバロメーターと言われるほど、重要な臓器の一つです。年始初めてのコラムは、舌の基本的なチェックポイントと、舌のケアのポイントとして舌苔のケアについてまとめましたので、ぜひご参考になさってください。

舌は全身の健康バロメーター

舌は全身の健康バロメーター

明けましておめでとうございます。
年が明け、新しい年の始まりとなりました。今年はオリンピックイヤーです。日本全体が慌ただしい年になりそうですね。今からワクワクします。

さて年始初めてのコラムは、舌(ぜつ)のお話をさせていただきたいと思います。

お口の中でも、非常に重要な役割をするのが舌です。あまり気にしていない方もいらっしゃるかもしれませんが、舌とは全身の健康状態のバロメーターと言われるほど、重要な臓器の一つです。

昔から、東洋医学では舌で全身の健康状態をチェックするほど重要な臓器の位置づけとなっています。

体の調子が悪い時、ご自身の舌を見てください。色やざらつきなどが違って見える事があります。舌は毛細血管が多く集まっている器官です。非常にデリケートで、その繊細な構造は、味覚を敏感に感じ取り味覚を感じ分けます。そんな大切な臓器である舌。
まずは、舌の基本的なチェックポイントをまとめてみたいと思います。

まず、理想的な舌の状態とは、淡いピンク色で少し白い苔(舌苔)がついている状態です。小学生くらいのお子様の舌が理想的な舌の状態ですので、機会があれば観察してみてください。

お子様の舌が理想的

健康な人は、ほどよくピンク色をしています。もし、黒ずんで見える場合は血行不良の場合があります。赤すぎるのは熱が出ている時など、白っぽくなっているのは栄養状態が悪く冷え性の可能性があります。

また、舌の裏側には紫色の静脈がうっすらと2本見えます。血行が悪い人は、この静脈が太く盛り上がって見えます。
舌の色をチェックする時は、正面だけでなく舌の裏側もチェックします。

舌苔

舌の上に白い苔のようなものがありますが、それは舌苔と言われます。お口の中が乾燥していると舌苔がつきやすくなります。唾液が少ないと舌苔が多く付きますので健康のバロメーターになります。
その他、胃腸の調子が悪くなると舌苔が多くつくことがあります。

<舌苔からわかる事>
●舌色 体の熱や水分の状態と関連する
・白苔:薄い白色は正常
・黄苔:発熱や脱水傾向 風邪の初期
・褐色、黒色:黄苔が進行した状態であり、熱性疾患や脱水

●舌質 消化管や全身状態と関連する
・増加:厚みや量が多いと上部消化管の機能低下
・乾燥:口腔乾燥や発熱
・偏り:全身状態が不安定、ストレス

側面の形状

舌の側面や先端の形状がギザギザしている場合、食いしばりや歯ぎしり、消化機能の低下や冷え性などが疑われ、水分がたまって浮腫んでしまっている可能性があります。

舌苔とは

それでは、ここからは舌のケアの重要なポイントとして舌苔のケアについてまとめていきます。
舌全体に苔のようについているものは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、白っぽかったり、黄色っぽかったり、褐色に見えることがあります。これらは、食べカスや剥がれ落ちた古い細胞や細菌が増殖したものです。苔(こけ)状の集合体になっているため舌苔と呼ばれます。舌苔が付着する主な原因は、口腔(こうくう)清掃が上手くいっていない、むし歯や歯周病がある、口腔が乾燥している、ストレスや緊張、胃腸機能の低下、喫煙などです。

このように舌苔による舌の汚れを放置しておくと、口臭の原因になったりします。その他、細菌が繁殖した唾液を誤って気管支に流入させてしまうと誤嚥性肺炎の原因にもなります。

特に、高齢者の誤嚥性肺炎は命に直結する重篤な病気です。高齢者ほど舌苔のケアは重要であり、注意が必要です。

お口のケアというと、どうしても歯磨きなど歯のケアにばかり目が行きがちですが、舌のケアも並行して行う必要があることを覚えておいてください。

舌苔とは

舌苔のケア

それでは、ここからは舌苔のケア(舌のケア)についてご説明します。お口のケアの時は歯磨きのみならず舌のケアも一緒に行うようにしましょう。

舌苔の清掃には、必ず専用の舌ブラシを使用します。普通の歯ブラシを舌のケアに使用すると、刺激が強すぎてデリケートな舌を傷つけてしまいます。必ず舌専用のやわらかめのブラシで清掃します。

鏡をみながら行います。

まずは、水で湿らせた舌を「べー」と前に出し、舌ブラシを舌の奥にあてます。その後、力を入れすぎず軽い力で舌の前方にかき出すように舌ブラシを動かします。強い力は舌を傷つけますのであくまでも軽い力で行ってください。

清掃後は、水や洗口液でうがいをします。

舌表面の粘膜は非常にデリケートです。何度も行わず、1日1回の清掃で十分です。

介助が必要な方の口腔ケア

ご自身で舌のケアを行える人は舌専用ブラシでケアできますが、寝たきりの方やご自身で口腔ケアができない方には介助が必要になります。体を起こしてうがいなどが出来ない方には、舌専用のスポンジなどで舌の清掃を行います。
介助が必要な方の口腔ケア

また、ウェットティッシュやガーゼを介助者の指に巻き、優しく舌の上を清掃するのも良いでしょう。

上の歯と頬の間を奥から手前に向かって拭き、上顎も同じように奥から手前に拭き取ります。この部分は他の部分より少し強めに拭いても気持ちよく感じる部分なので、しっかりと拭き取りましょう。下の歯と頬の間も上記と同様に拭き取っていきます。

寝たきりの高齢者は、特に嚥下機能や口腔機能が低下している場合があり、細菌の繁殖した唾液を気管支に流入させることで、簡単に誤嚥性肺炎を起こしてしまいます。毎日の口腔ケアは非常に重要なケアであり、歯と一緒に舌苔のケアも取り入れるようにしてください。

介助が必要な方の口腔ケア