2019
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虫歯予防につながる歯磨き粉選びは「有効成分」「フッ素含濃度」「低研磨」に着目
歯磨き粉にはさまざまな種類があり、虫歯を予防するためには成分などに注意した歯磨き粉選びが大切です。有効成分の確認、フッ素が含まれていること、研磨作用が高すぎないこと、殺菌成分の効用などをチェックポイントに選びましょう。
この記事の目次
さまざまなメーカーから販売されている歯磨き粉は、商品によって成分や効能が大きく異なります。
虫歯予防を目指すのであれば、成分などに注目して歯磨き粉を選ぶことが大切です。特にフッ素の含有率、研磨作用の高さ、殺菌成分は、歯の健康に大きな影響を与えます。
また、定期的に歯科検診を受け、自分ではうまく磨くことが出来ない部分の歯のチェックを受けることも大切です。武蔵新城の歯科『太田歯科クリニック』が、虫歯予防につながる歯磨き粉の選び方と、歯磨きのポイントについて解説いたします。
1.「フッ化ナトリウム」をはじめ有効成分にフッ素が配合されたものを選ぶ
虫歯になりやすい人は、有効成分が配合された歯磨き粉を効果的に使用していくことが、虫歯予防の近道です。
「フッ化ナトリウム」「フッ化リン酸ナトリウム」「モノフルオロリン酸ナトリウム」「フッ化第一スズ」など、特にフッ素が配合された歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。
「クロルヘキシジン」「トリクロサン」「塩化ベンゼトニウム」が配合された歯磨き粉も、高い殺菌効果を期待できるためおすすめです。
同じく確認したいのが「ラウリル硫酸ナトリウム」という成分です。これは発泡剤で、歯磨きの満足感をあげるために、歯磨き粉に含まれています。
しかし、発泡剤を利用するメリットはほとんどなく、泡立たなくても歯磨きは可能です。泡が出ることで、なんとなく歯が磨けた気になってしまって、かえって歯を磨ききれていないケースも多くなってしまいます。このため虫歯予防のためには、発泡剤は特に必要ありません。
また、歯周病に罹患している患者さんは、市販の歯磨き粉ではなく歯科医院にて指示のあった製品を使用する方が良いでしょう。
2.フッ素濃度が適切(上限1500ppm)なものを選ぶ
虫歯予防を目指すのであれば「フッ素濃度」が高いものを選ぶことが基本です。フッ素は学術的な研究上でも虫歯予防に対して効果があることが確認されており、歯を保護し再石灰化を促してくれます。
虫歯予防の観点から歯磨き粉を選択するのであれば、フッ素が含まれているだけではなく、濃度が高いものを選択することが必要です。
フッ素濃度には上限が決められており、日本では1000ppm以下とされていましたが、平成27年に上限が1500ppmまで引きあげられました。あまりにもフッ素濃度が高すぎると健康に害を及ぼす可能性があるため注意が必要になりますが、虫歯予防の効果を高めるためには、なるべくフッ素濃度が高いものを選ぶのがおすすめです。
厚生労働省による、年齢ごとに推奨されるフッ素濃度につきましては以下となっております。
3歳~5歳 500ppm 、 6歳~14歳 1,000ppm 、15歳以上 1,000ppm、成人1445ppm、
推奨濃度は国によっても異なりますが、上記の事を参考にして選んでいただくとよいでしょう。
3.虫歯予防を目指すうえでは研磨剤が少ないものを選ぶ
歯磨き粉の中には、研磨剤が入っているものが多く販売されています。研磨剤の主な成分として、炭酸カルシウム、無水ケイ酸(シリカ)などが挙げられます。「清掃剤」と表記しているメーカーもありますが、中身は同じものです。
研磨剤は歯に沈着した色素を落とすために必要なもので、白い歯を目指すなら欠かせない成分です。一方で、研磨剤が多すぎると健康な歯を傷つけ、虫歯ができやすくなってしまうというデメリットもあります。
過剰な研磨によって歯の表面が傷ついてしまい、色素が残りやすくなるなど注意が必要です。メインが虫歯予防であれば、研磨剤が比較的少ない歯磨き粉を使用する方が良いでしょう。
歯磨きをするときの3つのポイント
虫歯予防のためには、効果的な成分の入った歯磨き粉を選ぶのと同時に、ポイントをおさえた歯磨きを習慣づけることが役に立ちます。ここで、歯磨き粉の効果を高めてくれる磨き方についてご紹介いたします。
1. 薬用成分の効果を高めるには事前に歯を磨いて汚れを落とす
歯磨き粉の薬用成分をしっかり浸透させるには、歯磨き粉をつける前に一度歯を磨き、汚れを落としておくことがおすすめです。
歯の表面に汚れがびっしりと着いている状態では、せっかくの歯磨き粉の薬用成分の効果が発揮されません。そこで、歯磨き粉を使用する前に、時間をかけてしっかりと1回目の歯磨きを行って汚れを落とし、歯の表面が綺麗になってから歯磨き粉を使用すると良いのです。
歯磨き粉を付けてからは、やや短時間の2回目の歯磨きを行うようにします。こうした二度磨きが、もっとも薬用成分の効果を高められます。
また歯磨き粉を使用した2度目の歯磨きの後は、薬効成分を口の中に残した方がより効果的です。そのため、あまり念入りに口をゆすがない方がよいでしょう。反対に、1回目の歯磨きの後は汚れを落とすため、念入りに口をゆすぎましょう。
2. フッ素を流さないためにも歯磨き粉の後のすすぎは控えめに
虫歯予防のためには、フッ素入りの歯磨き粉を選び、念入りに歯を磨くことが基本ですが、注意が必要な点もあります。
それは、歯磨き後の過度なすすぎによって、フッ素までもが流れてしまうということです。このため、歯磨き粉をつけて磨いた後のすすぎは、控えめにしましょう。
口の中の汚れや、落とした歯垢などは、軽くすすぐだけで排出できるため、それほど気を使う必要はありません。何度も水を口に入れてくり返しすすぐ必要はなく、コップ半分程度の水をめやすに、一回すすぐだけでも十分な効果が得られます。
特に、発泡剤が入っていない歯磨き粉であれば、より少量の水でも殆どの場合で落とせるので問題はありません。
3. 歯磨き粉だけでなく歯間ブラシといったデンタルグッズも併用する
オーラルケアの基本は、歯磨き粉と歯ブラシです。これに合わせてデンタルグッズを併用すると、効率的に効果的なオーラルケアができます。
デンタルフロスと歯間ブラシで歯と歯の汚れを落とす
虫歯予防をしたい方や、歯周病予防をしたい方は、デンタルフロスを併用するようにしましょう。歯と歯の間は歯ブラシではきちんと磨けません。デンタルフロスを使い、汚れを落としましょう。
歯間ブラシも、同じく歯と歯の間の汚れ落としに効果的です。歯間ブラシは、毛先の太さによってサイズが分かれているので、自分に合ったサイズを探してみましょう。ただし前歯部では注意が必要となりますので、かかりつけの歯科医院にて指導をうけてから使用していただくのがいいでしょう。
洗口剤は忙しい時におすすめ
歯周病対策や虫歯対策の上でも、洗口剤を併用するのは効果的です。時間がなく、あまり歯磨きの時間がないときには、洗口剤で口をリフレッシュさせてみましょう。
歯科クリニックでの定期的な検診が重要
しかしながら、どんなに気を付けて歯磨き粉を選び、熱心に歯磨きをしていたとしても、自力ではうまく磨けない箇所があったり、歯石がたまったりすることを防ぐことはできません。
虫歯を予防するためには、定期的に歯科クリニックで検診を受け、歯のメインテナンスをしていくことがとても大切なのです。武蔵新城の歯科『太田歯科クリニック』でも、定期的な検診を随時受け付けております。どうぞお気軽にご相談ください。
歯磨き粉を効果的に使い、歯の健康を守りましょう
このように、歯磨き粉にはさまざまな種類がありますが、虫歯を予防するためには成分などに注意した歯磨き粉選びが非常に重要です。
有効成分の確認、フッ素が含まれていること、研磨作用が高すぎないこと、殺菌成分の効用などをチェックポイントに選びましょう。
また、歯磨きの際には二度磨きをする、うがいを少なくする、歯ブラシ以外のデンタルケアグッズの使用も効果的です。歯科クリニックでの定期的な検診を受けながら、虫歯を未然に防ぎ、お口の健康を保ちましょう。