2019
5/23
【むし歯の始まり】知っておきたいステファンカーブ
お口の中は、常に食べ物に触れています。その中で、食事ごとに歯磨きをする人もいれば、1日2回程度の方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、食事ごとに、お口の中の環境がどのように変化しているは、あまり知られていません。今回のブログでは、お口の中の環境と食事の関係、そしてむし歯の発生リスクについてまとめていきたいと思います。これらを考えていく中で、知っておかなければならないのが『ステファンカーブ』です。これから『ステファンカーブ』について解説しました。
ステファンカーブを知ろう
私達は、日常生活において一日3度の食事をしています。さらには食事の他に、おやつなどの間食などを食べている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?」
このように、お口の中は、常に食べ物に触れています。その中で、食事ごとに歯磨きをする人もいれば、1日2回程度の方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、食事ごとに、お口の中の環境がどのように変化しているは、あまり知られていません。
そこで今回のブログでは、お口の中の環境と食事の関係、そしてむし歯の発生リスクについてまとめていきたいと思います。これらを考えていく中で、知っておかなければならないのが『ステファンカーブ』です。これから『ステファンカーブ』について解説していきます。
ステファンカーブとは、人間のお口の中の歯垢のPH(ペーハー)変化を示したグラフです。PH(ペーハー)とは、酸性とアルカリ性の度合いを表したものです。そして、PH(ペーハー)値は食事をとるごとに変化します。そこで、ステファンカーブでは、食事をとるごとに、お口の中のPH値が、どのように変化していくかがわかります。
上記がステファンカーブです。
お口の中のPHは、普段はPH7に保たれています。しかし、食べ物がお口の中に入ると、すぐにPHは酸性に傾きます。そして、PH5.5になると私達の歯は脱灰が始まります。脱灰とは、私達の歯の表面のエナメル質が溶け始めることです。この脱灰が繰り返されることにより、むし歯が発生します。
しかし、私達の口腔内には、たえまなく唾液が流れていて、唾液がお口の中を中性に戻しています。唾液は、30分ほどで酸性に傾いたお口の中を中和しはじめ、傷付いている歯の表面を修復するのですが、これを再石灰化と呼びます。
もちろん、お口の中を汚れたままにしておくと、この再石灰化の促進は妨げられます。常に、ダラダラ食いをしていたり、甘い炭酸飲料ばかりを飲んでいる人も、唾液による再石灰化が追いつかず、常に酸性に傾いた状態になっています。
よって、食後はできるだけ歯磨きなどでお口の中を綺麗にしたり、ダラダラ食いなどは控え、再石灰化を促進させることがとても大切です。
上記に掲載したステファンカーブをみてもわかるように、1日のうち、食事のたびに脱灰と再石灰化が交互に訪れます。食事によって、お口の中がどのようになっているかを認識しながら食生活を送る事が大切です。
むし歯リスクの高いステファンカーブ
下記のステファンカーブは、3度の食事の合間に、複数回の間食をしている人のお口の中の状態です。
間食をしない人と比べると、脱灰と再石灰化の波が小刻みに交互に現れています。この状態だと、酸性に傾いた口腔内を正常に戻す時間が少なく、むし歯になるリスクが非常に高まります。
以上の事から、できるだけむし歯になるリスクをあげないためにも、ダラダラ食いや甘い飲み物を常に飲み続けるような食習慣をしないことが、最も大切であることがわかります。
それでは、ここからは酸性に傾きやすい食べ物についてご説明していきたいと思います。
酸性に傾きやすい食べ物
酸性に傾きやすい食べ物は、糖濃度の高い食べ物です。
甘いスイーツ類はもちろんのこと、スナック菓子などのチップスも酸性に傾きやすいです。また、たえず飴をなめる行為も、お口の中を酸性にしてしまいますので注意が必要です。キャラメルなど、歯にくっつきやすいお菓子は、特にお口の中を酸性に傾かせますのでご注意ください。
その他、注意が必要なのは食べ物だけではありません。
甘い炭酸飲料やジュース類、甘いコーヒーや紅茶も要注意です。
他には酸の強い食べ物も気をつけましょう。酸の強いレモンやお酢、ワインなども摂取しすぎると酸性に傾きやすいと言われます。
しかし、あまり神経質になって食べ物を制限する必要はありません。特に問題なのはダラダラと食べ続ける事です。食事時に適度に摂取する分には、その後の唾液の働きによって、再石灰化で正常化してくれます。おやつのあと、口をゆすぐだけでも酸性に傾く事を防ぐことができます。
食事や間食をするときは、常にステファンカーブの事をイメージしておきましょう。
唾液の効用
●食事で摂取した糖分や酸などを洗い流す役割
●酸性に傾いたお口の中を中和する役割
●歯の再石灰化をする役割
この3つの役割は、私達の歯の健康を保つためには非常に重要な役割です。
よって、唾液が少なくなったりすると、これらの機能が十分な働きをすることができなくなります。唾液の役割は非常に重要ですので覚えておいてください。