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2018

12/25

【お正月】気をつけたい、お正月のお餅と歯のトラブル

記事概要

毎年、お正月には1,200人超が餅を喉につまらせて窒息死しています。様々な原因がありますが、お正月のお餅が引き金になることも多いのが現実です。お餅を食べる機会が多いお正月。お餅と歯のトラブルについて解説しましたので、ぜひご覧ください。

お正月にお餅を食べるのは、長寿と健康を願うため

いよいよ、2018年も終わりに近づきました。
今年は、30年続いた平成最後のお正月ですね。
色んな意味で、今年は『平成最後の』という言葉が飛び交いました。

毎年の事ではありますが、お正月はゆったりのんびりと過ごしたいものです。家族みんなが集まって、ワイワイガヤガヤ。おせち料理を始め、華やかな食卓を囲んで、美味しいものを食べるのが日本のお正月です。

そしてお正月といえば、お餅。日本のお正月にはお餅がつきものですね。
話はそれますが、お正月にお餅を食べる理由を御存知でしょうか?

お正月にお餅を食べる習慣の起源は平安時代なのだそうです。健康と長寿を祈願し、宮中で行われたお正月行事「歯固めの儀」に由来するそうです。
お餅は、もち米でつくるものです。もともと、白米が貴重だった頃は、お餅は神様に捧げる神聖な食べ物だったそうです。長く伸びて切れない事から、長寿祈願に結び付けられていたとか。納得ですね。

これらの考え方は、現代でも引き継がれています。
お正月はもとより、お祝い餅としてお餅が用意される風習も残っています。以上の事からお正月はお餅を食べる機会も多くなります。焼いて食べたり、お雑煮にしたり…。皆さんも美味しく召し上がっていただき、日本のお正月を満喫してください。

さて、ここからは本題です。
ここからは、お餅と歯のトラブルについて簡単に説明していきます。

歯にくっつきやすいお餅に気をつけて

日本では、お正月にお餅を食べる風習は共通していますが、日本各地では、その食べ方に、若干の違いがあるようです。北日本では、つきたてのお餅を食べる傾向にありますし、関東はのし餅を焼いて食べるのではないでしょうか?
いずれにせよ、長く伸びる柔らかなお餅は、とにかく歯にくっつきやすいのです。
みなさんも経験があると思いますが、通常の白米と違って、歯の表面にぺったりとくっつきます。

このネバネバしたお餅が歯にくっつくことにより、様々な歯のトラブルを引き起こします。これらの事により、お正月のお餅のせいで、詰め物や被せ物がとれてしまったと、歯科医院に駆け込む方もいらっしゃるようです。

特に、被せ物の周りが虫歯になっている人などは、とくにお餅で外れやすくなってしまうようですからご注意ください。

できれば、年末に歯科医院の診察を終えてお休みに入るのがベストです。

また、もう一つ心配なのが虫歯のリスクです。前述したように、歯にピッタリとお餅がくっついてしまいますので、その部分が虫歯になりやすいです。お菓子やチョコレートと違うからと言って、軽く考えてはいけません。お餅も炭水化物ですので、虫歯の原因になります。よって、お餅を食べた後は、いつもよりも丁寧に歯磨きをして就寝していただければと思います。
また、お餅を食べた後には、歯磨きのみならず、デンタルフロスや歯間ブラシなども使うと、より効果的だと思います。

お餅を食べるときは入れ歯にも注意を

あともう一つ、入れ歯についても触れておきます。
特に、入れ歯をつけている方は、お餅を食べるときには注意が必要です。取り外しのできる入れ歯は、粘着力の高いお餅を食べる時に外れてしまい、誤って飲み込んでしまうことがあるからです。

先日、こんな記事がありました。“入れ歯で命失う人続出 餅を喉に詰まらせる窒息死の原因にも”(https://www.news-postseven.com/archives/20180921_766285.html?PAGE=1#container

こちらの記事には、東京医科歯科大学の調査で、食事時に総入れ歯が外れ、咽頭部につまり死亡したケースが多い事がわかったとあります。

同記事にもあるように、毎年お正月には1,200人超が餅を喉につまらせて窒息死しています。様々な原因がありますが、お正月のお餅が引き金になっていますので、ぜひ、ご注意いただきたいと思います。

入れ歯をつけてお餅を食べるときは、一口大に小さく切ってお餅を召し上がって下さい。お雑煮など、汁物と混ぜて一緒に飲み込むようにすると、比較的お餅が溶けやすくなり飲み込みやすいかもしれません。きなこ餅など、パサパサしているものは注意が必要だとおもいます。

下記のサイトにお餅を誤って飲み込んだ時の緊急対応がまとめてありますので、ぜひご参考にして下さい。(http://www.kanagawa.jrc.or.jp/news/2017/12/003217.php

口腔機能を低下させないための運動

それでは、ここからは口腔機能を低下させないための咀嚼や嚥下を促す運動についてまとめていきたいと思います。高齢になるとお口の周りの筋力も低下していきます。弱まるのは、足腰の筋力だけではありません。日頃から、お口の周りの筋力を低下させないような嚥下体操をやっておくといいでしょう。

下記は神奈川県公式のYouTubeチャンネルです。こちらに健口体操がのっていますので、トライしてみてください。

(1) 深呼吸
深呼吸をして呼吸を整えます。テレビをみながらでもできますので、朝と夜に1回ずつくらい、体操をする習慣を身に着けましょう。

(2) 顔の運動
顔を右に左にゆっくり傾けます。首の筋肉を伸ばすようにします。その後、首を下に上に伸ばしていきます。その後、首をぐるりと回します。

(3) 肩の運動
肩を上にあげて、下におろします。肩の筋肉をほぐしていきます。

(4) 頬の運動
唇を閉じて両側の頬を膨らませます。その後、片方ずつ頬を膨らませていきます。

(5) 耳下腺マッサージ・舌下腺マッサージ
耳下腺と舌下腺のマッサージを行います。耳下腺マッサージは頬に指を揃え後ろから前へ円を描くように。舌下腺マッサージは、両方の親指をそろえ、顎の下に当てゆっくり押し上げます。

(6) 発声
「あ・い・う・え・お」「パタカラ」「カラカラカラカラ」と声を出していきます。

(7) 腕を伸ばす
腕を延ばします。

(8) 目の体操
目を上下に動かし、目を閉じて開きます。目をつぶって開いてを繰り返します。

(9) 舌の体操
舌を出して引っ込め、舌で頬を押します。

YouTubeの動画に併せて体操をやってみてください。寒い季節に入ります。暖かくして、健康に注意し、すてきなお正月をお迎え下さい。